イラストレーター、アーティスト、毛文字モデルなど、さまざまな分野でご活躍のチャンキー松本さん宅にお邪魔しました。チャンキーさん最終回です!

梅田:
そういう意味ではアートは最後のこういうのじゃないかなって思うんですよね。

チ:ガチャの音とかも含めているよね。こういうのはね。

梅田:これ以上進化しようがないですからね。

チ:絵は特に止まってるからね。あとは観る人が育てるってやつだからね。僕らはこれ以上のことは出来ないですからね。あとは観る人が何かを得たり、感じてくれたり膨らませてくれたりと僕らはゆだねるしかないから、それを信じてるっていうことしかないからね。

梅田:情報が少ないですよね。モノに対して。判断できないから、お金を払えないっていうことなのかもしれないしね。

チ:情報が少ない、狭きものだからこその深さとかいうのもあるんでしょうね。

梅田:幅がその分広いんでしょうね。これを空と観るか海と見るかも自由だろうし。

チ:自分も見てるよね。家ではあるんだろうけどここに自分の懐かしい思いでを入れこんでみたりとか。勝手に膨らませるからね。それはやっぱりそれなりにお金出して買わないと得れないでしょうね。

梅田:(松浦)弥太郎さんが同じことを書いてあって、価値があるとされている本とかも手元にあってずっと見ないとほんまの良さはわからへんと。自分のなりの良さを見出すということですよね。

チ:そこしかないよね。

梅田:じゃあなかったら、作家の知名度ということになるからね。

チ:有名な人の絵を買って、コレクターになるとか。コレクターになるからね。

梅田:いろいろとクリアになりました。

チ:中島君どう思う?
な:自分にないから買わないっていうのは、僕らはそうかもしれないけど、昔の人は買ってたんかなぁってね。

チ:庶民は買ってないよね。ハンカチのデザインとか、風呂敷のデザインとか、着るものとかね。

梅田:むかしはそれを保護するとか、そういう人が明確におったんじゃないかな。殿様とか貴族とか。

チ:パトロンみたいな人ね。宮廷画家とかね。ゴッホあたりから、庶民が持てるものになっていったんでしょうね。

梅田:産業革命以降から中流階級に下がっていっているんだよね。
な:作品の情報がないから買わないっていうのは違う気がする。

梅田:情報がないから買えないんじゃないの。自分の価値観を情報とを照らし合わすことが出来ないんじゃないかな。同じ値段の価値を見出せない。これ(iphone)5万、これ5万。iphoneはサイトみたら情報はわかるけど、作品はわからない。これとこれの情報量っていうのは、違う。iphoneは部品とか、そういうのがあるけど、これは自分がこれに価値を見出せるかどうかっていうこと。これは、有名な人で、これは将来値上がりするかもっていう情報があれば買うよね。

チ:これは何人もの人が手にかけているっていうのはわかるけど、これは未知の世界でわからないようね。これは比較できないよね。

梅田:お金での比較はできるじゃないですか。
な:違うものだっていう認識がされてない。

梅田:それはお金っていうものが入っているからだと思う。
な:それでお金で同じステージにあげるしかない。

チ:資本主義社会やからかな。つきつめていったら、そこにいくだろうね。でも逆にiphoneも値段なくなっているよね。ネットオークションとかで安くなったり。今度はこっちがむちゃくちゃになってきてるから、僕は面白いなって思うけどね。これもまた選ばないといけない、こっちは信用ありそうとか、こっちは信用ないけど、安いからいこうとか、これも多様性が出てくるやん。アートも多様性のみみたいなところあるやん。同じようになってきているのかもしれない、インターネットの登場です。個人でお金と価値を決めなきゃいけない世の中になっていくっていうことやな。同じようになるんじゃないの。iphoneの横にこの絵がお店であるとか。面白いんちゃう。

梅田:そういう店が出来ても。

チ:これ(iphone)2010年度の一つの芸術作品かもしれないしな。デュシャンじゃないけど。

梅田:大量生産かそうでないかとか。

チ:一点ものとか出会いと、大量生産のものとの出会いは違うかもしれない。この辺りも街路樹は沢山あるけど、でも森の中の大木があったら、そっち観たいよな、とか。でも木は木やんか。でも祖末に扱われたりするやないか。でも森の中の神木とかの木は一生崇められたりするかもしれないし。アートって神木的なものかもしれないし。でも今自分でしゃべりながら、街路樹の木でもいいやんって思うわ。

梅田:そこに価値を見出すかどうかっていうのもその人それぞれですよね。

チ:それも出会いですよね。この街のこの角の街路樹に何か惹かれるねんってこともあるよね。それはこういう絵かもしれないよね。最終的には出会いになってしまうんじゃないかな。そこで気に入ったものを買ってもいいんじゃないですかって。勘を養っていこうみたいな。何か選ぶとか、自分に自信を持つっていうメッセージだとキツいけど、勘を育てていこうよっていうのでいいじゃないですか。この人いい感じやんとか、そういう勘ね。そうすると絵が欲しくなったりするかなぁって。
皆がどんな絵を飾っているのか見てみたいよね。そこにその人の精神が見えるよね。同じだと、この絵もこの絵も同じだと思うわ。自分が欲しているものだから全部同じですよね。アーティストの目から見ればね。

梅田:同じようなもの並んでますもんね。

チ:そうやねん。同じようやねん。それはそれで残念やねんけど。限界というか、自分が欲しているものがわかるもん。色使いから…でもまぁ面白いですけどね。

梅田:逆に自分を鼓舞するために派手なものを買う方もいらっしゃるかもしれないですね。

チ:そうやね。それを掘り下げていくっていうことでしょうね。気質とかによって違うんでしょうね。
な:価値を見出せるように養ってきた過程というのはどういうものだったんでしょうか。

チ:苦労がわかるっていうのは一つありますよね。創作者の苦労をお互い知っているっていうことでしょうね。大変なところ通ったんやろうなっていうのはわかる。自分もある程度、描けるようになると。ある程度人が欲しくなるものを描けるようになってわかるっていうのがありますよね。自分が人が欲しがってくれるものがわかるというか、人が欲しているものを感じられるようになるまで、僕は時間がかかったから。それまでに自分の画欲を出さないといけないから、出してやっと人様が喜んでもらえるものって何やろうってね。
な:それまでは人にどう評価されようがどうでもいいわみたいな。

チ:弱いんでしょうね。世の中に壁を造るということですから。拒絶するっていうことですからね。弱いんでしょうね。恐いんでしょうね。人が欲しがるものをつくるっていうのは素敵なことやとちゃんと自分が思えるまで僕は時間かかったけど。例えば、この作家さんは人が欲しがるものを造りたいっていうことを仰っていて、そんな若い時にわかるんやぁみたいな。自分は自分を出すことで精一杯やったのにね。そういう苦労がわかるんでしょうね。
お金っていうのは芸術家にとってテーマやな。芸術家っていうのはお金っていうものに嫌悪感持っているからなるんじゃないかな。
な:作品に値段をつけるっていう行為が苦手な人も多いですよね。

チ:お金が1番やろっていうことを疑問符を持っている人がアーティストになるんちゃうんかな。違うかな。得意やったら、お金儲けを頑張ると思うけど。アーティストでそういう人もおって、それも素晴らしいと思うけど、そうならなあかんと思うけど。でもどっちかと言ったら、そういうことが苦手っていう人が多いんちゃう。でもないとアルバイトするなり、自分を商品化するなり、どうにかせなやっていけないわけやから、そこで当然苦労はするやろうし。そういう意味でお金っていうのはアーティストの弱点というのがあるんじゃないでしょうか。

梅田:そこを養っていけたら1番。アーティストも観る側の人も。

チ:それこそ農業だって、お米つくっていても全部売れるわけじゃないじゃないですか。皆がみな造ったものが全て売れるわけでもないですからね。それも自然の摂理かもしれないですね。生産したものが全部売れないとというか、素敵なもの優れたものを皆欲しいのはそうだし、アーティストも当然そういうものを造る努力はしないといけないよね。最低そこに届けるための努力はずっとしていかなあかんのじゃないかな。

梅田:充分じゃないですか。

チ:全然出来てないから、これから第二の人生を送ろうと思うんですけどね。本作りしてたら、どうなの? この作家がよく本を造ろうっていうのも自分で決めるわけでしょう。
な:そうですね。実際ビジネスのことは頭のどこかにあって。

チ:デザインとかね。中身は読んだ時に想像つくじゃないですか。中身を見てもらうためにとか、人の目に止まらすとか、そこが難しい。そういう努力はしないといけないわな。人様に届けるというのは大変なことだよね。そう思ったら、アートというのはギャラリーだったら、そこまでの大変さはないからね。ギャラリーする事自体にね。ちょっとギャラリーをやって、絵が売れるっていうのは、そういう気楽さはありますよね。本は大量生産でマイナスがあるものだから、売りさばかないといけない。僕らはマイナスがないからね。商品と作品と違うのはマイナスがないっていうのが大きいよね。

梅田:マイナスからのスタートはないですよね。

チ:比較してしまうと楽なところはあるかもしれないですよね。だからこそ、一人で努力して届けるためにいろんな場に出たりとかはしないといけないのかもしれないね。

梅田:その一貫としてこれもね。

チ:そこは買ってくれる人の裾野を広げるかもしれないし。

梅田:ものづくりに携わっていると、多くの人が欲しがるものって何なんだろうって思うことがあるんですよね。人の事を考えるってことは自分の事を考えるきっかけってそこまで多くないと思うんですよ。お金儲けだと人のこととか自分のこととか顧みることはないと思うし、効率化でやっていく方が設け易いと思うんです。

チ:記号的にした方がラクだよね。

梅田:一人でやっているのを皆と分割したりとか。そんな中で人の事を考えるとか、自分のことを顧みる機会というのは、何かを造って誰かに届けること以外ではないんじゃないかなと思うんですよね。

チ:皆、それぞれ思っているんだろうね。サーフィンしている人はもっとサーフィンしたらいいのにとか。それでいいよね。「サーフィンしようよ」という言い方だよね。「アート買おうよ」っていうことだよね。

梅田:真面目にやっている人は、そこで自分との戦いとかあるじゃないですか。そういうのを深く言うんじゃなく、もっとやってみようよみたいな。始めること自体は敷居が高いわけではないし、情報や商品を受け取るだけじゃなく自分からアウトプットしていく必要があるんじゃないかなって。そうなると最初の話に戻りますけど、iphoneとかそういったものとは別に、作品とかアートみたいなものの価値を自分なりに見出せるようになるんじゃないかなって個人的には思うんですよね。

次回はシャムア松橋さんの予定です。お楽しみに!